えひめハタラク研究所

仕事のこと私事のこと/愛媛県/27歳/社会保険労務士/ファイナンシャルプランナー

「家賃はムダ」なのか?【vol.013_ハタラク通信】

前回、”家を借りるべきか、買うべきかの答えはひとりひとり違う”とお話ししました。

家を買う動機としてよく聞かれるもののひとつが
「家賃がムダだと感じるから」というもの。

もっと具体的に言うと…

  • 払ったお金が、自分の資産にならないので、払い損な気がする...
  • 同じ金額を支払うなら、自分の所有物になるほうがいい…

では、賃貸物件に住み続けるのは、実際にムダなのでしょうか?いくつかの事例から、考えてみましょう。

給湯器が寿命で壊れてしまった!

【賃貸】
大家さんが費用を負担して修理するのが基本です。
いっぽうで、借主が費用を負担して修理する場合は下記のような例があります。
①借主が故意過失(わざと・うっかり)で壊したもの
②借主が持ち込んだ設備
③残置物(前の入居者が置いていったもの。必要なければ直さなくてもOK)

【所有】
大きな設備が故障すると、まとまってお金が必要になります。
修理で数万、新品交換で数十万…!
給湯器以外にも、雨漏れ修繕、給水管の劣化、ブロック塀の補修…
ずっと壊れない設備はひとつもないのです。

高齢者施設に転居することになった!

【賃貸】
もと居た家は、解約すれば家賃・維持費はかかりません。管理の心配も要りません。
でも…元気になって施設を出るときに、改めて賃貸物件を借りるのは大変な場合もあります。
高齢者世帯のみでの入居が敬遠される場合も多いのです。

【所有】
不在の間の管理はどうしますか?
住んでいるときよりも、不在にしている時のほうが、建物は劣化していきます。防犯面での不安もあります。ご近所に迷惑をかけるかもしれません。
住み続けるのだからおトク、と思って資金計画して購入しても、思っていたほど長く住まないこともありますよね。

そのほか、特有の費用について

【賃貸】
2年毎に、0~3万円の更新料がかかることがあります。
火災保険(家財補償+借家人賠責)の加入が義務付けられています。1年あたり5,000円~10,000円ほど。
ほかにも入居後、様々なサービスの更新費用を払う場合もありますが、高くても数万円程度。

【所有】
毎年、固定資産税かかります。物件の評価額によって、数万円~10万円程度。
火災保険(火災、地震の建物補償)に加入するのが一般的です。

不動産を持つのも大変です

◇不動産を所有するということは
自分が責任を持って管理をし続けなければいけない、ということです。
設備が壊れたら、数十万単位、時には100万円を超える出費が必要になります。

◇お金がかかるから…と修繕せずにほったらかしておくと、思わぬ事故につながり、損害賠償責任を負うことも。
(賃貸物件であれば、危険な箇所を大家さんに伝えるなどしていれば、賠償責任を免れることもできます。)

◇ずっと住むなら買ったほうが安いから。と思っていても
本当に「ずっと住める」かは分かりません。
転職、転勤、介護、結婚、離婚…人生なにが待っているのか分からないのです。
自然災害や都市開発で、周りの環境が大きく変わることもあります。

家族構成が変わったとき、家に求める条件が変わったときに、賃貸なら住み替えができます。
高額物件の購入はできなくても、賃貸なら支払うことができ、ハイグレードな住まいを楽しむこともできます。

…と、賃貸物件の良いところを沢山記載してみました。

もちろん、不動産を購入したら、いいことはたくさんありますよ!

支払ったお金の一部は、自分の資産になります。
その資産を子や孫に引き継いでいくこともできます。
不要になって売却したら、代わりに現金を手に入れることができます。

問題なのは、かかる費用の損得だけで考えて結論を出してしまうこと。
これから自分の人生でどんなイベントが起こりうるのか。
どんなライフスタイルが自分に合っているか。
繰り返しますが、
「答えはひとりひとり違う」のです。

自分が実現したいライフデザインを、今一度考えてみませんか。